もともとはヒツジの伝染病(スクレイピー)でしたが、イギリスでヒツジの骨のくずを牛のえさに使ったことから感染したと考えられています。
牛が食肉処理などされた後、余ったくず肉、脳、骨髄、骨、内臓、血液を加熱処理の上、油脂を除いて乾燥、細かく砕いて粉末としたものが、肉骨粉です。これらは牛・豚・鶏の飼料、農作物の肥料、ペットフードの原料となりました。肉骨粉は安価で、蛋白質、カルシウム、リン酸質が豊富で高い栄養価を備えています。これは加熱処理が施されており、通常の寄生虫、細菌類は死滅し、衛生上も問題がないとされ、BSEの問題が起こる前まではよく用いられていました。この時、狂牛病に感染していた牛も一緒に肉骨粉に加工されました。
牛に栄養価の高い肉骨粉を食べさせる事により成長を促しましたが、異常プリオン入りの肉骨粉を食べた牛の一部は、BES(狂牛病)にかかりました。狂牛病が拡大した原因には、子牛を生んだばかりの母牛をすぐに子牛から引き離し、人間が飲むための牛乳を出来るだけ多く搾取しようという儲け第一主義に走った畜産農家にも原因があるようです。本来、子牛は人間同様、母牛の乳を飲んで成長しますが、牛乳は人間が飲むために出荷し、子牛には乳の代わりにカルシウムなどの栄養素を肉骨粉で代用したのです。
1988年6月にイギリスは肉骨粉の使用を禁止するが、EU諸国や日本を含むアジアなどの他国には肉骨粉を売っていました。そのため、感染が拡大してしまいました。1996年の3月、イギリスで狂牛病の人間への感染が明らかになり、日本でも1996年、使用が禁止されました。
現在、アメリカでも牛への肉骨粉の使用は禁止されるようになりましたが、豚・鶏などの飼料としては使われています。しかし、それらの飼料が牛に使用されていない保証は全くなく、過去に肉骨粉を食べた牛が今後、発症するかもしれませんし、症状がでないだけで病気を抱えている可能性も否定できません。

もともと、<<草食動物>>である牛に、肉を食べさせる(共食いさせる)ことに問題が あるように思います。