ファイト⇒ギリシャ語(PHYTO)で植物のこと、ケミカル⇒化学物質。つまり、ファイトケミカルとは植物の持つ化学物質のことです。なんと、体を老化させる活性炭素を除去すると共に、免疫力を高め、病気の予防に役立つ成分です。

ほんの一例

アリシン
ニンニク・ネギ
独特な臭いの元。強力な殺菌作用とともに、疲労回復に欠かせないビタミンB1の吸収を助ける作用が知られています。胃液の分泌を促す、タンパク質の消化を促す、発汗などの代謝作用を高める、解毒酵素の働きを活性化して病気への抵抗力を強める、などの働きもあります。食欲増進、健胃、冷え性の改善、風邪の初期症状の改善などの効果も期待できます。その他、血小板凝集抑制、抗酸化、抗ストレス、抗ガンなどの作用があることも明らかになっています。

アントシアニン
ブルーベリー、クランベリー、ぶどう、ナスの皮、赤ジソ、紫芋、あずき、など
血液が沁み出さないように血管壁を強くし、血管の弾力を増してしなやかにします。また、目の網膜機能に働くドロプシンの再合成を活発化して、網膜機能・夜間視力のアップ、視野の拡大に役立ちます。最近ではがんの転移や進行を抑える力があることがわかってきました。抗酸化作用があり、細胞を酸化させる活性酸素を減らします。

イソフラボン類
大豆
大豆胚芽に特に多く含まれるフラボノイドの一種。イソフラボンはカルシウムの過剰な溶出を抑え、骨のカルシウム代謝を正常に保ちます。また、体内でエストロゲンと同様の作用を持ち、美白作用、保湿性の向上といった肌の美容効果も認められています。ほかにも、豊胸効果や生理不順の改善など、女性にうれしい作用があります。 大豆イソフラボンは抗酸化力に優れているため、コレステロールを低下し、動脈硬化や心臓病を予防します。

カプサイシン
唐辛子
内に蓄積された脂肪を燃やしてエネルギーの消費を促進する作用が認められています。カプサイシンには食欲増進作用もあるのですが、また相反する肥満防止にも有効とされているのはそのためです。
また昔から胃の健康、疲労回復、発汗促進、血行促進、殺菌などの作用があるとして、身体の冷えが原因の消化不良や食欲不振、吐き気、下痢、肩こり、腰痛などに有効です。最近は特に肥満防止などに有効として注目されています。 さらに、継続的な摂取が、美肌(保湿)に効果があると言われています。
また、近年の研究では、大豆イソフラボンと一緒に摂取することにより、抜け毛防止など毛髪の健康に効果があるとされています。

スルフィニル
わさび
1300年も前から人々の生活に根付いているわさび。昔は薬草として用いられ、古文書には「魚毒を解毒する」といった表現も残っています。わさびの健康作用は古くから知られています。解毒酵素の活性化、活性酸素除去、血栓防止、ガン細胞増殖抑制、抗菌作用、坑ピロリ菌作用などが言われています。最近の研究で、「6-メチルスルフィニルヘキンシンイソチオシアネート」に強力な毒消し作用があることが、明らかになり注目されていますが、この成分はわさびにしか含まれていないとされています。しかし、通常ブドウ糖とくっついていて、そのままではこの成分は生じません。すりおろしたり切ったりすると、酵素が働きこの結びつきを切り、細胞が壊れることで生まれます。つまり、本わさびにのみ含まれる貴重な成分です。

セサミン
ゴマ
身体の酸化を防ぐ物質である。セサミンは、体内で吸収された後肝臓に行って初めて働き、ビタミンEなどが代謝の過程で酸化防止機能を低下させていく点が異なります。セサミンが機能する肝臓は、身体を作り出すアミノ酸やタンパク質、脂肪などの合成、分解、有毒物質の解毒といった働きをし、皮膚や粘膜の形成の元になる器官である。しみやシワの理由も、肝臓機能の衰えによる場合が多い。スキンケアによる外からの処方はもちろんのこと、ほうれん草のゴマあえ、ゴマのふりかけなどを積極的に食べるのがよい。美肌や代謝の活性のためには、セサミンとビタミンEを併用するのがよい。

β-カロチン
にんじん・かぼちゃ、コールドキウイなど
野菜、果物、海藻などに色素として含まれるカロテノイドの一つ。カロテノイドにはいろいろな種類がありますが、ビタミンAとして体内で最も効率よく働くのはβーカロテンです。β-カロテンは、体内でビタミンAに変わりますが、必要量のみ変化します。残りはβーカロテンのままで、体内で生じる活性酸素をキャッチして消去するという働きをします。この働きを抗酸化作用といいます。βーカロテンで活性酸素を防御すれば、老化やガンに歯止めがかかり、狭心症や心筋梗塞などの危険も少なくなります。(※過剰摂取は、体調を崩すことも)

β‐グルカン
きのこ
腸を刺激して便秘を予防、改善する、肥満を予防、改善し、腸内の有用菌群を増やして腸を整え、腸の中の有害物質を排出させて大腸ガンなどを予防するなど、不溶性食物繊維としての共通の働きをします。なかでも特に制ガン作用は注目されています。グルカンには、免疫をつかさどるマイクロファージなどの細胞を活性化して、制ガン作用をもつインターフェロンなどを作る働きがあります。この作用は、キノコに含まれるβ-グルカンに特に顕著です。

フコイダン
海藻
コンブ、ワカメ、メカブ、モズクなどの海藻のヌルヌル成分に含まれる硫酸化アミノ多糖類(食物繊維)です。このヌルヌルは海藻が他の生き物に食べられないようにする為に作り出すバリアの様なものです。フコイダンにはガンを消滅させるメカニズムがあります。ガン化してしまったガン細胞を自滅させる、アポトーシス作用を持っています。。また、それでもダメな時には、ガン細胞の表面に穴をあけて毒素で細胞の中のDNAを壊して死滅へと導くこともします。ガン細胞に直接触れた時にこのような効果があらわれるので、内壁に出来た胃がんや、大腸がんには効果があるそうです。また、お酢と一緒に摂ることで効果がより発揮されます。また、胃がんや胃潰瘍の原因の1つとして見られているピロリ菌を減少させる効果もあります。

ポリフェノール類
キウイフルーツ、緑茶、など
キウイフルーツにはクエン酸・キナ酸・リンゴ酸などの有機酸が含まれています。キウイフルーツは果汁中に最も多くポリフェノールを含む果物で、抗酸化力はお茶を上回ります(緑茶を多く飲んでいる地方にはガンが少ないというデータがあります。これは緑茶に含まれるポリフェノールの一種、カテキンにすぐれた抗酸化作用があるためです。赤ワインのアントシアニンもポリフェノールの仲間)。東北大学教授の宮澤先生の実験でキウイフルーツが血液の老化防止に役立つことがわかりました。加齢とともに赤血球の過酸化脂質量は増える傾向にあり、特に老人性認知症(痴呆症)では、赤血球膜に著しい過酸化脂質の蓄積があることが明らかになっています。

リコピン
トマト・スイカ・柿・ピンクグアバ
脂溶性の赤い色素でカロテノイドの1種。リコピンは、前立腺や循環器の健康をサポートし、免疫システムの活性化に対する働きが期待できることがわかってきています。また、動脈硬化の防止の効果もわかってきています。最近の研究で、リコピンは紫外線による肌のダメージを抑え、日焼けや皮膚癌の両方に有効な力を持つことがわかってきています。また、リコピンが紫外線によるダメージをうけた肌をケアするという研究がなされています。葉緑体や色素体に結合した状態で存在するリコピンは、生の果実を食べても吸収されにくいため、加工された果実やサプリメントから摂取がお勧めです。また、リコピンは脂溶性なので、油分を含むお食事時に摂るのがお勧めです。