狂牛病予防
にて、牛に「肉骨粉」を与えることで、狂牛病になる可能性が発生すると載せました。そして、各国で肉骨粉を使わないようにする動きが出てきました。アメリカでも、30ヶ月以上の肉骨粉を鳥や豚に与えてはいけない事になりました。
しかし、言い換えれば肉骨粉が作られないわけではありませんし、29ヶ月以下の牛の脳や脊髄を使った肉骨粉は鳥や豚に与えてもよいことになっています。(この鳥や豚の飼料が牛の飼料として紛れ込みやすいのです)

では、なぜ、30ヶ月が目安とされるのでしょうか?
現在のBSE検査方法では、異常プリオンたんぱく質が、脳の延髄かんぬき部に、一定程度以上蓄積しないと、陽性反応を起こさないそうなのです。そして、24―30ヶ月以上経った牛であれば、感染の有無が判定できるようになるのです。

問題点
29ヶ月以下の牛であれば、若いために脳の延髄かんぬき部に異常プリオンが溜まらず(溜まってはおらず)、検査をクリアする牛も出てきてしまうかもしれません。実際、29ヶ月以下の牛であれば、輸入許可がおりるよう、主張する国があります。これは、29ヶ月以下の牛であるため、(脳の延髄かんぬき部に異常プリオンたんぱく質が溜まっていないので)BSE検査で陽性にならず、狂牛病だと言う事ができないのです。

=(狂牛病にかかっていたとしても異常プリオンが一定量溜まっていないために検査に引っかかることがなく)検査をクリアした=狂牛病ではない。となってしまうかもしれません。また、日本に入ってこない脳や脊髄などの危険部位からは肉骨粉が作られ、植物の肥料や鳥や豚など他の動物の飼料になるのです。

異常プリオンが脳に到達するスピードは個体差もりあり、たとえ、30ヶ月以上経ってBSEにかかっていたとしても、脳に異常プリオンが蓄積していなければ陰性になる可能性が残されています。

結論
日本国内で、全頭検査を行ったとしても、上記のような問題が残っているために完全なものにはなりません。他国からBSE検査をしていない牛肉が入ってきた場合、もっと安全率の低いものとなってしまうような気がします。
また、BSE検査をクリアしてしまう可能性がある牛がいるかもしれないという、問題点があるにもかかわらず、全頭検査をした牛が絶対に安全であると思い込みすぎるのもよくないようです。